先人たちの議論

このページは、科学的に確立した事実ではなく、「DNAは宇宙のアンテナである」という仮説を前提にした思考実験です。

「生命は宇宙の情報とつながっている」という発想は、まったく新しいものではありません。物理学者、生物学者、哲学者たちが、さまざまな形で似たことを論じてきました。ここでは代表的な議論を、主流の科学からどう評価されているかとあわせて紹介します。

ロジャー・ペンローズとスチュアート・ハメロフ:量子脳理論

数理物理学者のペンローズと、麻酔科医のハメロフは、1990年代に「Orch-OR理論」を提唱しました。脳の神経細胞の中にある微小管(マイクロチューブル)という構造で量子的な過程が起きていて、それが意識の生まれる鍵になっている、という説です。ペンローズは、意識の根っこが宇宙の基本的な構造と結びついている可能性にも言及しています。

評価:ペンローズは2020年にノーベル物理学賞を受けていますが、受賞理由はブラックホールの研究で、量子脳理論とは別のものです。Orch-OR理論は、脳の中のような温かい環境で量子状態が保てるのかという点などで批判も多く、現在も検証が続いている少数派の仮説です。

マーティン・ブランク:DNAはフラクタル・アンテナ

コロンビア大学の研究者だったマーティン・ブランクらは、2011年の論文で、DNAの構造はフラクタル・アンテナに似た性質を持ち、幅広い周波数の電磁波と相互作用しうる、と論じました。このサイトの出発点である「DNA=アンテナ」というイメージの、科学的な元ネタのひとつです。

評価:この論文の主眼は、電磁波が生体に影響を与えうるという点にあり、DNAが意識や宇宙の情報を受信しているという主張ではありません。

ルパート・シェルドレイク:形態形成場

生物学者のシェルドレイクは、1981年の著書『生命のニューサイエンス』などで、生物の形や行動は遺伝子だけで決まるのではなく、時空を超えて働く「形態形成場」による共鳴(形態共鳴)にも左右される、と主張しました。ある種が何かを学ぶと、離れた場所の同じ種も学びやすくなる、という考えです。家系や役割の「型」が再現されるというこのサイトの発想に近いものがあります。

評価:主流の科学界からは、実験での裏付けがないとして強く批判されており、疑似科学とみなされることが多い説です。

アーヴィン・ラズロ:アカシック・フィールド

ハンガリー出身のシステム哲学者ラズロは、宇宙のあらゆる出来事は量子真空(ゼロ点場)のような場に情報として記録されている、という「アカシック・フィールド」の考えを展開しました。個人の経験も場に残り、宇宙全体の進化に関わり続ける、という世界観です。

評価:科学的な理論というより、物理学の用語を借りた哲学・世界観として受け止められています。

議論の流れ

生命をどう捉えてきたか(大まかな流れ)
時代主な捉え方
20世紀前半生命は物質と化学反応の組み合わせ(機械論)
20世紀後半生命は情報を処理するシステム(システム論)
現在の周縁的な議論生命は宇宙の情報や意識の場とつながる存在(仮説の段階)

思考実験として受け取る

ここで紹介した議論は、どれも科学の定説ではありません。けれども、いずれも「生命とは何か」「意識はどこから来るのか」という、いまだ誰も答えを出せていない問いに、本気で向き合おうとした試みです。

このサイトもまた、その問いをめぐる一つの思考実験にすぎません。信じる・信じないではなく、前提を変えると世界がどう見えるかを楽しむ材料として読んでもらえたらうれしいです。